ホールネス・ワークとは?身体とつながり、自分の「全体性」を取り戻す

自分のことをたくさん考えて、理解して、原因もある程度わかっている。
それなのに、なぜか楽にならない。
そんなことってありませんか?
私のセッションに来てくださる方にも、「自分がどうしてこうなったのかは、もう結構わかってるんです」という方がいます。
幼少期のことも振り返った。
自分の思考の癖もわかっている。
インナーチャイルドについても学んだ。
それでも、いざ人間関係で何か起きると不安になるし、頭の中ではまた同じことをぐるぐる考えてしまう。
こういうとき、さらに「原因を探す」「自分を分析する」を続けても、あまり変わらないことがあります。
むしろ必要なのは、頭で自分を理解することから少し離れて、今ここにいる自分を身体ごと感じてみることかもしれません。
そんなアプローチのひとつが、「ホールネス・ワーク」です。
ホールネス(Wholeness)は、日本語にすると「全体性」。
私たちは普段、不安があれば不安に、身体の緊張があれば緊張に、考え事があれば頭の中に、意識がギュッと集中しています。
すると、その一部分がまるで「自分のすべて」のように感じられることがあります。
ホールネス・ワークでは、そこから少しずつ意識を広げて、身体全体。
そして、自分の周りにある空間まで。
もっと大きな「自分全体」を感じていきます。
最初に私がホールネス・ワークを体験したときも、これは「考えて答えを出すセラピー」とはかなり違うな、と感じました。
今回は、ホールネス・ワークとはどんなものなのか、実際のセッションでは何をするのか、私が学んで感じたことも含めてご紹介します。
目次
ホールネス・ワークとは?
ホールネス・ワークは、コア・トランスフォーメーションの開発者でもあるコニレイ・アンドレアスによって開発されたプロセスです。
身体感覚や「自分がここにいる」という感覚に意識を向けながら、普段は一部分に集中している意識を、身体全体や周囲の空間へと広げていきます。
……と言っても、
「身体の周りの空間って何?」
と思いますよね。笑
ホールネス・ワークは、文章で理解するよりも、実際にやってみた方が圧倒的にわかりやすいもののひとつだと思います。
たとえば今、
「自分って、身体のどこにいる感じがする?」
と聞かれたら、どうでしょう。
頭の中。
顔のあたり。
胸。
身体の中心。
なんとなく「ここに私がいる」という場所が思い浮かぶ人もいるかもしれません。
普段はほとんど意識しない感覚ですが、ホールネス・ワークでは、まずこうした「私」という感覚そのものに気づいていきます。
私たちは「頭の中にいる」ことが多い
私がホールネス・ワークを学んでいてすごく面白いと思ったのが、
人は思っている以上に、頭の中に偏って生きている
ということでした。
特に、普段からよく考える人。
仕事でも人間関係でも、
「どうしたらいいかな」
「これで合ってるかな」
「相手はどう思ったかな」
「私の何が悪かったんだろう」
と、ずっと頭を使っている人ほど、意識が頭のあたりに集中しやすいです。
すると、身体に何が起きているかに気づきにくくなります。
肩に力が入っている。
胸がギュッとしている。
お腹が固くなっている。
呼吸が浅い。
でも、自分では「考えている」ことの方に夢中で、それに気づかない。
私自身、こういう方をセッションで本当によく見ます。
だからホールネス・ワークで、
「頭の中だけではなく、身体全体に意識を広げてみる」
ということ自体が、すごく新鮮なんですよね。
「問題」に集中しすぎると、問題が大きく見える
不安なことがあるときって、そのことばかり考えてしまいませんか?
彼から返信がない。
仕事でミスをした。
誰かに嫌われたかもしれない。
将来が不安。
そうすると頭の中では、その問題がどんどん大きくなります。
まるで自分の世界のすべてが、その問題になったような感覚になることもあります。
でも実際には、
不安を感じている胸だけが自分ではないし、
ぐるぐる考えている頭だけが自分でもありません。
手もある。
足もある。
背中もある。
呼吸もある。
身体全体がある。
そして、その身体の周りには空間があります。
ホールネス・ワークでは、こうやって一部分に集中していた意識を、もっと大きな全体へ戻していくことをしていきます。
すると、それまで100%自分を占めているように感じていた不安が、
「自分の中にある一つの感覚」
として感じられるようになることがあります。
ここは、ホールネス・ワークのすごく面白いところだと思っています。
「私」という感覚そのものを見ていく
ホールネス・ワークでは、悩みそのものだけではなく、
「その悩みを感じている私」
にも意識を向けていきます。
たとえば、
「私は不安です」
と思っているとき。
その「私」はどこにいる感じがするのか。
頭の中なのか。
胸なのか。
身体の中心なのか。
そして、その「私」という感覚は、どんな形や大きさなのか。
重さがあるのか。
位置が決まっているのか。
そういうところを丁寧に感じていきます。
普段、
「私ってどこにいるんだろう?」
なんて考えないですよね。笑
でも、そこに意識を向けてみると、
「あれ、私ってずっと頭の中にいたかも」
「胸のあたりにギュッと集まってる感じがする」
など、いろいろな気づきが出てきます。
そして、その感覚を身体全体へ広げたり、身体の周りの空間まで含めて感じたりしていきます。
このプロセスを通して、普段とは違う「自分の感じ方」が出てくることがあります。
ホールネス・ワークのセッションでは何をするの?
実際のセッションでは、難しいことを考える必要はありません。
むしろ、「正しい答えを出そう」「うまくやろう」としなくて大丈夫です。
セッションでは、
「今、どこに自分がいるような感じがしますか?」
「その感覚はどんな感じですか?」
「身体全体に意識を広げるとどうですか?」
「その周りの空間も感じてみると?」
というように、少しずつ意識を広げるガイドをしていきます。
途中で、
身体の力が抜ける。
呼吸が変わる。
頭の中が静かになる。
最初に感じていたものが違って感じられる。
身体の感覚が広がる。
逆に、何か別の感情や記憶が出てくる。
ということもあります。
ただ、「こうなったら成功」という正解はありません。
そのとき起きていることを、そのまま見ていきます。
頭で答えを出さなくていい
ホールネス・ワークは、特に「考える力」が強い人に面白いアプローチだと思っています。
普段から、
「これは何が原因なんだろう?」
「どのビリーフが影響しているのかな」
「この感情はどう手放したらいいんだろう」
と考える癖がある人ほど、
「考えなくていいですよ」
と言われること自体に戸惑うことがあります。
でも、そこで初めて、身体は今どう感じているのかに意識が向きます。
頭では、「もう気にしてない」と思っていたのに、胸は固くなっていた。
「大丈夫」と思っていたのに、身体はずっと緊張していた。
そんなことに気づく場合もあります。
私は、こういう「頭と身体のズレ」に気づけるところも、ホールネス・ワークのいいところだと感じています。
過去を探さなくても、今ここから始められる
ホールネス・ワークでは、
「子どもの頃に何があったんだろう」
「どの出来事が原因なんだろう」
と、最初から過去を探す必要はありません。
今ここで起きている感覚から始められます。
もちろん、ワークをしている中で、昔の記憶や感情が自然に出てくることはあります。
その場合は必要に応じて扱いますが、
「何か思い出さなきゃ」
「原因を見つけなきゃ」
と無理に掘る必要はありません。
私はこの、
過去を探しに行かなくても、今の身体から始められる
というところもすごく好きです。
実際にホールネス・ワークを受けたお客様の声
ここまで読んで、「理屈はなんとなくわかったけど、実際どんな感じなの?」と思っている方もいると思います。
ホールネス・ワークは特に、説明だけでは体感が伝わりにくいので、実際にセッションで体験された方の声をご紹介します。
感じ方には個人差がありますが、
「頭が静かになった感じがした」
「身体が緩んだ」
「今までずっと身体に力が入っていたことに気づいた」
「考えなくても、こんなふうに変化するんだと思った」
など、普段の自分との向き合い方とは違う体験になる方もいらっしゃいます。
ホールネス・ワークはどんな人に向いている?
私自身は、特にこんな方に一度体験してみてほしいと思っています。
・いつも頭の中で何かを考えている
・ぐるぐる思考が止まりにくい
・自分のことを分析しすぎてしまう
・心理学や自己啓発をたくさん学んできた
・原因はわかっているのに、なかなか楽にならない
・身体に力が入りやすい
・自分の身体の感覚がよくわからない
・不安になると、さらに考えてどうにかしようとする
・自分の内側をもっと深く感じてみたい
・「今ここ」にいる感覚が薄い
特に、
自分についてはもう十分考えてきた。
という方。
もしかしたら、次に必要なのは「もっと理解すること」ではないかもしれません。
頭の中だけで自分を見続けるのを少しやめて、身体全体から自分を感じてみる。
そんな時間が、次の気づきにつながることもあります。
私がホールネス・ワークをセッションに取り入れている理由
私は、セッションでずっと大切にしていることがあります。
それは、
思考・感情・身体を全部見ること。
私たちはつい、頭で納得できれば変われると思いがちです。
でも、
頭では大丈夫だと思っている。
でも身体は緊張している。
頭ではもう気にしていないと思っている。
でも、その話になると胸が苦しくなる。
こういうことって本当に多いです。
だから私は、何を考えているかだけではなく、
何を感じているのか。
身体はどう反応しているのか。
そこも含めて見ることを大切にしています。
そんな中でホールネス・ワークを学んで、
「問題をどうにかする」ことだけに集中せず、もっと大きな自分全体へ意識を戻していくアプローチが、とても面白いと感じました。
現在は、ホールネス・ワークだけを単独で行うというより、その方の状態やテーマに合わせて取り入れています。
コア・トランスフォーメーションとの違いは?
ホールネス・ワークと同じコニレイ・アンドレアスによって開発されたものに、「コア・トランスフォーメーション」があります。
どちらも私のセッションで取り入れていますが、体験の仕方は少し違います。
コア・トランスフォーメーションでは、
「この反応をしている自分は、本当は何を求めているんだろう?」
と、自分の中にある「パート」の意図を深く辿っていきます。
一方、ホールネス・ワークでは、
「今、自分はどこにいるように感じている?」
というところから、自分の身体全体や周りの空間へと意識を広げていきます。
私の感覚でかなりざっくり言うと、
コアトラは“奥へ入っていく”感じ。
ホールネスは“全体へ広がっていく”感じ。
この違いについては、別の記事で詳しくまとめています。
【コア・トランスフォーメーションとホールネス・ワークの違いはこちら】
コア・トランスフォーメーションそのものについて知りたい方はこちらもどうぞ。
ホールネス・ワークを体験してみたい方へ
ここまで読んで、
「自分って、どこにいる感じがするんだろう?」
「身体全体を感じるって、どんな感覚なんだろう?」
「考えること以外の方法で、自分と向き合ってみたい」
と思った方へ、体験セッションをご用意しています。
私のセッションでは、
「今日はホールネス・ワークをします」
と最初から固定して進めるわけではありません。
まず、今どんなことで悩んでいるのか。
どんなことを変えたいのか。
今の心や身体がどんな状態なのか。
そこを一緒に見たうえで、ホールネス・ワークやコア・トランスフォーメーション、その他のアプローチも含め、その方に合う方法を組み合わせています。
たくさん考えてきた。
自分のこともかなり理解してきた。
それでも同じところでぐるぐるしてしまう。
そんな方は、一度「考える」以外の方法で自分を感じてみるのもおすすめです。


